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実家の処分はどう進める?流れ・タイミング・注意点を徹底解説!

2025.03.07

実家の処分は、思い出や家族の「悲しい」といった感情が絡むため、簡単には決断できないことが多いでしょう。しかし、空き家を放置することで固定資産税や維持費がかさみ、老朽化による安全性の問題も発生する可能性があります。

この記事では、実家の処分をスムーズに進めるための流れや適切なタイミング、注意すべきポイントについて詳しく解説します。

実家を処分する基本的な流れ

実家の処分で後悔しないためには、事前に必要な処分費用や手続き内容をしっかりと把握しておくことが大切です。基本的な流れは以下のようになります。

【売却する流れ】

  1. 1.売却に必要な書類を準備する
  2. 2.不動産の価格相場を確認する
  3. 3.住宅ローンの残債を確認する
  4. 4.査定を依頼する
  5. 5.不動産会社と媒介契約を締結する
  6. 6.売却活動をする
  7. 7.買主と売買契約を締結する
  8. 8.決済・引き渡しをする
  9. 9.確定申告をする

不動産売却の流れやポイントについて、さらに詳しい情報は以下の記事を参考にしてください。

中古住宅は売却できる?査定のポイントや売却の流れ・費用などについて解説

 

実家を処分するタイミング

実家売却のタイミングは、さまざまな要因に影響されます。特に、固定資産税や維持費の負担、家の状態、市場の動向を考慮することが重要です。

固定資産税や維持費が負担になっている時

空き家を維持する際には、固定資産税や修繕費、光熱費など、さまざまな費用が継続的に発生します。これらの支出が家計にとって負担になってきた場合は、実家の処分を検討するタイミングといえるでしょう。

特に注意が必要なのは、空き家が「特定空き家」に指定されるケースです。指定されると、固定資産税の軽減措置が適用されなくなる可能性があり、税負担が一気に増加するリスクがあります。こうした費用を最小限に抑えるためにも、早めの対応が重要です。

遺品整理が完了している時

遺品整理や片付けが終わり、家が売却可能な状態になったタイミングも、実家を処分するのに適した時期といえます。遺品や不用品がそのまま残っている場合、買主に与える印象が悪くなり、売却が困難となる可能性があります。

遺品整理は心理的にも時間がかかる作業なので、早めに着手し、整理が完了した後に売却を進めるのがおすすめです。

家が老朽化し安全性が懸念される時

実家が老朽化し、雨漏りや耐震性の問題など安全性が懸念される場合も、処分するタイミングの一つです。

老朽化が進むほど修繕費用が増え、場合によっては解体が必要になることもあります。買主が安心して購入できる状態を保つために、状況を見極めながら適切な処分方法を選びましょう。

不動産市場が高騰している時

不動産市場が活発で価格が高騰しているタイミングは、実家を売却する良い機会といえます。市場の動向を把握し、最も高値で売却できる時期を見極めることで、より多くの利益を得られる可能性が高まります。

地元の市場動向や価格の変動について詳しく知るためには、不動産会社に相談するのも効果的です。

実家の処分を始める前に|準備すべき重要ポイント

実家をスムーズに処分するためには、事前準備が欠かせません。法的な手続きや物件の整理、コストの把握などを事前に行うことで、後のトラブルや負担を軽減できます。以下のポイントをチェックして、確実に準備を進めましょう。

遺言書の有無を確認し相続人間で協議を行う

実家の処分を進める際に、まず確認すべきは遺言書の有無で、内容によって進めるべき相続手続きが変わります。遺言書がある場合は、記載された内容を優先して手続きを進める必要があります。

一方で、遺言書がない場合は、法定相続分に基づき、相続人同士で協議を行うことに。協議の際には、遺産分割協議書を作成しておくと、後々のトラブルを未然に防げます。

また、手続きに不安がある場合は、司法書士や弁護士など専門家の力を借りるのも一つの方法です。専門的なアドバイスを受ければ、スムーズかつ確実に協議を進められるでしょう。

相続登記や名義変更で権利関係を整理する

実家を売却するためには、相続登記を行い名義を変更することが不可欠です。相続登記が未完了のままだと売却手続きが進められず、場合によっては買主との契約にも支障をきたす可能性があります。

相続登記を進める際には、戸籍謄本や遺産分割協議書など、複数の書類が必要になります。これらの書類を事前に揃え、迅速に手続きを進めることが重要です。

遺品整理や不用品の処分を進める

遺品整理は、実家の処分を進める上で欠かせない大切なステップです。不用品が残ったままでは物件の印象が悪くなり、結果的に売却価格に影響を与える可能性があります。

自分で遺品整理を行う場合は、「残すもの」「捨てるもの」「売却するもの」の3つに分類して進めると効率的。ただし、時間や労力を節約したい場合は、遺品整理業者を利用するのも一つの方法です。

実家に遺品を残したまま売却したい場合は住栄都市サービスの利用を検討してみてください。住栄都市サービスなら遺品整理をせずにそのまま家を売却することが可能です。お金になりそうなものは換金し、思い出の品は残すこともできるので、別途遺品整理の費用をかけずに、実家の処分が進められるのがメリット。

スピーディな売却を実現する住栄都市サービスの買取サービス

境界線や測量図を確認しておく

土地付きの実家を売却する際には、境界線や測量図を事前に確認しておくことが重要です。隣地との境界が不明確な場合、トラブルに発展する可能性があり、売却手続きに支障をきたすことも考えられます。

確定測量を行い、正確な境界を明示しておくことで、買主に安心感を与え、スムーズな取引が期待できます。また、必要に応じて土地家屋調査士に依頼することで、専門的な視点から正確な測量が行われ、手続きが効率よく進められるでしょう。

費用や税金のシミュレーションを行う

実家の売却にかかる費用や税金を事前にシミュレーションしておくことで、後から予期せぬ負担が発生するのを防げます。具体的には、不動産仲介手数料、測量費、修繕費、譲渡所得税、解体費用など、売却に必要な経費を計算しておくことが重要です。

特に譲渡所得税については、特例や控除が適用される場合があります。そのため、税理士に相談して最適な節税方法を見つけることをおすすめします。

家の売却にかかる費用について詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください。

不動産売却にかかる費用一覧!費用を抑えるコツや売却の流れを解説

実家処分でよくあるトラブルと解決策

実家の処分では、多くの人が思いもよらないトラブルに直面します。特に、家族間の意見の食い違いや物件の売却困難など、解決が難しい問題が発生する可能性も。ここでは、代表的なトラブルとその解決策について解説します。

家族間で意見が対立している

親の死後、実家を手放すことを巡って、家族間で意見が対立することは珍しくありません。「思い出があるから残したい」といった感情や、実家に対する愛着から反対する人がいる一方で、売却を希望する人がいるなど、典型的な対立構図が生じることがあります。
こうした場合の解決策として、以下の手順を検討してみましょう。

【解決策】
1.全員が納得できる議論の場を設ける
家族全員で、現状や将来的な維持費、固定資産税などの具体的なコストを共有しながら話し合うことが重要です。感情的な意見だけではなく、数字やデータをもとに議論を進めることで、冷静な判断がしやすくなります。

2.専門家を交えて相談する
弁護士や不動産の専門家を交えて話し合いを行うと、中立的な意見が得られ、家族全員が納得できるスムーズな合意形成につながります。専門的な視点から助言を受けることで、問題解決への道筋が見えてくるでしょう。

田舎の物件や老朽化した家が売れない

地方にある物件や築年数の古い家は、買主が見つからないことが多く、売却が長期化する原因になりがちです。特に、交通アクセスの悪さや修繕が必要な状態が問題視されることが少なくありません。こうした物件を売却するための解決策として、以下の方法があります。

【解決策】
1.買取サービスを利用する
不動産仲介ではなく、不動産会社による買取サービスを利用することで、短期間で現金化できる場合があります。

2.修繕やリフォームを検討する
必要最低限の修繕を行うことで、物件の印象を良くし、買主にとって魅力的な物件にできます。ただし、修繕費用がかかるため、投資額と見返りを考慮しながら進めることが重要です。

3.空き家バンクに登録する
地域の空き家バンクを活用し、自治体を通じて買主を探すのも一つの方法です。地方特有のネットワークを活かして、物件の魅力を発信できます。

実家の処分が進まない原因や具体的な対策について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

家が売れない4つの理由とは?知っておきたい対策と注意点について解説

実家の処分をスムーズに進めるならプロに依頼するのがおすすめ

実家の処分には、多岐にわたる手続きや準備が必要で、自力ですべてに対応するのは大きな負担となることがあります。専門家に依頼することで、効率よく作業を進められるだけではなく、トラブルを未然に防げるため、スムーズな処分が期待できます。

実家を処分する際に依頼すべき専門家 役割・サポート内容
不動産会社 売却価格の査定、買主の仲介、売却活動全般のサポートを提供
司法書士 相続登記や名義変更の手続き、権利関係の整理
税理士 譲渡所得税や相続税の計算、確定申告のサポート
遺品整理業者 遺品や不用品の整理・処分、貴重品の発見、リサイクル可能な品の選別
土地家屋調査士 境界線の確定、測量図の作成、隣地トラブルの防止
解体業者 老朽化した建物の解体、更地として売却するための準備
空き家バンク・自治体窓口 地域の買主を探す支援、補助金や助成金の相談

土地売却する時の相談先ってどこ?内容別で相談先の選び方を解説

実家の処分は計画的な準備と行動が鍵

実家の処分は、相続手続きや売却準備など、計画的な対応が重要です。適切なタイミングを見極め、専門家の力を借りることでスムーズに進められます。まずは不動産会社に相談し、現状を把握することから始めてみましょう。

監修

佐々木総合法律事務所/弁護士

佐々木 秀一

弁護士

1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。

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