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相続不動産|売却時の税金はいくら?シミュレーションしてみよう

2024.11.29

相続した不動産の売却時にかかる税金は、「登録免許税・印紙税・所得税・住民税・復興特別所得税」の5種類があります。

所得税や住民税に関しては不動産を相続してから、どのくらいの期間所有していたかで税率が変わるのが特徴です。また、条件に該当すれば控除が適用される場合もあります。

この記事では、不動産売却時にかかる5種類の税金の概要や計算式、それぞれの税金のシミュレーションに加え、最終的に相続不動産の売却にかかる税金のシミュレーションを解説します!

不動産売却時にかかる税金の種類5つ

相続した不動産の売却時にかかる税金の種類は、「登録免許税・印紙税・所得税・住民税・復興特別所得税」の5つです。

以下の表は、各税金の概要と計算方法を示しています。

種類 概要 計算方法
登録免許税 不動産の所有権を相続人に
変更するときにかかる税金。
税額= 固定資産税評価額×税率(0.4%)
(土地と建物両方ある場合は、
どちらも税率0.4%が加算される)
印紙税 土地の売買契約書を
作成したときにかかる税金。
1~5万円(売却金額によって異なる)
所得税 不動産の売却で得た利益に
対してかかる税金。
・所有期間 5年以下の場合
譲渡所得×30%
・所有期間 5年以上の場合
譲渡所得×15%
住民税 不動産の売却で得た利益に
対してかかる税金。
・所有期間 5年以下の場合
譲渡所得×9%
・所有期間 5年以上の場合
譲渡所得×5%
復興特別所得税 東日本大震災の復興に必要な
財源確保のための税金。
(令和19年3月31日まで)
所得税に2.1%加算

不動産売却に上記の税金がかかり、売却金額や売却で得た利益によって支払う税金の額は変わってきます。

なお、復興特別所得税は東日本大震災の復興に必要な財源であるため、令和19年の3月31日までとされています。

相続不動産の売却でかかる税金シミュレーション|登録免許税

ここからは、各税金について詳しく解説していきます。まずは、登録免許税から見ていきましょう。

登録免許税とは、土地や建物の所有権を被相続人から相続人に変更する際にかかる税金のことです。

土地や建物などの遺産の名義を相続人名義に変更する手続きを「相続登記」といいます。

土地は名義人本人でないと売却できないため、相続した土地がある場合は、不動産を売り出す前に必ず相続登記を完了させましょう。

登録免許税の計算式

登録免許税の計算式は以下の通りです。

登録免許税の計算式

税額=固定資産税評価額×税率

「固定資産税評価額」とは、固定資産税の基準となる額を指します。土地や建物をどのように評価するか定めた「固定資産評価基準」に基づいて、各市町村が算定した価格です。

登録免許税の税率は登記の種類によって異なりますが、相続登記の場合、税率は0.4%と定められています。相続登記の手続きが土地と建物両方ある場合は、どちらも税率0.4%が加算されます。

実際の登録免許税のシミュレーション

実際の登録免許税のシミュレーションを見ていきましょう。

【土地:固定資産税評価額が3000万の場合】
3000万円×0.4%=12

土地の登録免許税は、12万円かかることになります。

【建物:固定資産税評価額が1000万の場合】
1000万円×0.4%=4

建物の登録免許税は、4万円かかることになります。

・登録免許税の合計
土地の登録免許税12万円+建物の登録免許税4万円=16万円

上記のシミュレーションの場合、登録免許税は合計16万円です。

相続不動産の売却でかかる税金シミュレーション|印紙税

印紙税とは、売買の契約書を作成したときに発生する税金です。印紙税は政府が発行する証票の「収入印紙」で支払います。

ここでは、相続不動産の売却時にかかる印紙税の金額やシミュレーションを見ていきましょう。

印紙税の金額

印紙税は計算式ではなく、契約金額で変動します。金額が大きくなるほど印紙税も高くなるのが特徴です。

以下は、契約金額に応じた印紙税の一覧表になります。

契約金額 印紙税 軽減税額
10万円以下 200円 200円
10万円超え50万円以下 400円 200円
50万円超え100万円以下 1000円 500円
100万円超え500万円以下 2000円 1000円
500万円超え1000万円以下 1万円 5000円
10000万円超え5000万円以下 2万円 1万円
5000万円超え1億円以下 6万円 3万円
1億円超え5億円以下 10万円 6万円
5億円超え10億円以下 20万円 16万円

平成26年4月1日~令和6年3月31日の売買契約においては、軽減税率が適用されます。その場合、印紙税は右欄の軽減税額の価格になります。

実際の印紙税のシミュレーション

実際の印紙税のシミュレーションを見ていきましょう。

【契約金が4000万円の場合】
上記表の1000万円〜5000万円に該当し、印紙税は1万円になります。

郵便局で収入印紙を購入し、納税します。契約書の作成枚数ごとに印紙税がかかるため、2枚作成した場合の印紙税は2万円になると認識しておきましょう。

相続不動産の売却でかかる税金シミュレーション|譲渡所得税

譲渡所得税とは不動産の売却時に得た、利益に対する税金のことで、所得税と住民税を指します。

不動産を購入したときよりも、高い値段で売却できた際に発生するのが譲渡所得税です。

まずは、所得税の計算式とシミュレーションを見ていきましょう。

所得税の計算式

課税譲渡所得金額=収入金額ー(取得費+譲渡費用)
税額=課税譲渡所得×税率(所得税)

収入金額とは、不動産売却で得た金額を指します。税率は、不動産の所有期間によって変動するため、計算式の税率は相続人が所有した期間で算出されます。

5年以下の場合は「短期譲渡所得」、5年以上の場合は「長期譲渡所得」に該当し、税率は次の通りです。

区分 相続した不動産の所有期間 税率
短期譲渡所得 譲渡した年の1月1日時点で5年以下 所得税30%
長期譲渡所得 譲渡した年の1月1日時点で5年以下 所得税15%

実際の所得税のシミュレーション

実際の所得税のシミュレーションを見ていきましょう。

【売却金額4000万円 取得期間が5年以下の場合】

収入金額4000万円ー{取得費(購入金額|3500万円+仲介手数料|122.1万円+登記費用30万円)+譲渡費用(仲介手数料|138.6万円印紙代|1万円)}=譲渡所得208.3万円

相続した不動産の所有期間が5年以下なので208.3万円×30%=62.49万円となり、所得税は624,900円になります。

所有期間が5年以上の場合は、208.3万円×15%=31.245万円となり、所得税は312,450円です。

相続不動産の売却でかかる税金シミュレーション|住民税

先述したように、不動産の売却時に発生した利益に対する税金は所得税の他、住民税もかかります。

譲渡所得税のひとつにあたる、住民税の計算式とシミュレーションを確認していきましょう。

住民税の計算式

課税譲渡所得金額=収入金額–(取得費+譲渡費用)
税額=課税譲渡所得×税率(住民税)

譲渡所得税の所得税と同じく、短期所有と長期所有で税率が異なります。

区分 相続した不動産の所有期間 税率
短期譲渡所得 譲渡した年の1月1日時点で5年以下 住民税9%
長期譲渡所得 譲渡した年の1月1日時点で5年以下 住民税5%

 

実際の住民税のシミュレーション

実際の住民税のシミュレーションを見ていきましょう。所得税の計算式と同様に、収入金額ー(取得費+譲渡費用)×税率(住民税)になります。

【売却金額4000万円 取得期間が5年以下の場合】

収入金額4000万円ー{取得費(購入金額|3500万円+仲介手数料|122.1万円+登記費用30万円)+譲渡費用(仲介手数料|138.6万円印紙代|1万円)}=譲渡所得208.3万円

所有期間が5年以下なので208.3万円×9%=18.747万円となり、住民税は187,470円になります。

仮に取得期間が5年以上の場合は、208.3万円×5%=10.415万円で、住民税は104,150円です。

相続不動産の売却でかかる税金シミュレーション|復興特別所得税

復興特別所得税とは、東日本大震災の復興に必要な財源を確保するための税金です。

個人の納税者は、令和19年(2037年)まで復興特別所得税を納めることが国税庁より義務づけられています。所得税の税率に2.1%が加算される仕組みです。

そのため、相続した不動産の所有期間が5年以下の方が、5年以上所有した場合よりも復興特別所得税が高くなります。

復興特別所得税の計算式

復興特別所得税額=基準所得税額×2.1%

基準所得税額とは、実際に納税する額のことです。給与所得者の場合は、支払い相続した不動産の売却時にかかる税金は、「登録免許税・印紙税・所得税・住民税・復興特別所得税」の5種類があります。

所得税や住民税に関しては不動産を相続してから、どのくらいの期間所有していたかで税率が変わるのが特徴です。また、条件に該当すれば控除が適用される場合もあります。

この記事では、不動産売却時にかかる5種類の税金の概要や計算式、それぞれの税金のシミュレーションに加え、最終的に相続不動産の売却にかかる税金のシミュレーションを解説します!

不動産売却時にかかる税金の種類5つ

相続した不動産の売却時にかかる税金の種類は、「登録免許税・印紙税・所得税・住民税・復興特別所得税」の5つです。

以下の表は、各税金の概要と計算方法を示しています。

種類概要計算方法
登録免許税不動産の所有権を相続人に
変更するときにかかる税金。税額=固定資産税評価額×税率(0.4%)
(土地と建物両方ある場合は、
どちらも税率0.4%が加算される)
印紙税土地の売買契約書を
作成したときにかかる税金。1~5万円(売却金額によって異なる)
所得税不動産の売却で得た利益に
対してかかる税金。・所有期間 5年以下の場合
譲渡所得×30%
・所有期間 5年以上の場合
譲渡所得×15%
住民税不動産の売却で得た利益に
対してかかる税金。・所有期間 5年以下の場合
譲渡所得×9%
・所有期間 5年以上の場合
譲渡所得×5%
復興特別所得税東日本大震災の復興に必要な
財源確保のための税金。
(令和19年3月31日まで)所得税に2.1%加算

不動産売却に上記の税金がかかり、売却金額や売却で得た利益によって支払う税金の額は変わってきます。

なお、復興特別所得税は東日本大震災の復興に必要な財源であるため、令和19年の3月31日までとされています。

相続不動産の売却でかかる税金シミュレーション|登録免許税

ここからは、各税金について詳しく解説していきます。まずは、登録免許税から見ていきましょう。

登録免許税とは、土地や建物の所有権を被相続人から相続人に変更する際にかかる税金のことです。

土地や建物などの遺産の名義を相続人名義に変更する手続きを「相続登記」といいます。

土地は名義人本人でないと売却できないため、相続した土地がある場合は、不動産を売り出す前に必ず相続登記を完了させましょう。

登録免許税の計算式
登録免許税の計算式は以下の通りです。

登録免許税の計算式

税額=固定資産税評価額×税率

「固定資産税評価額」とは、固定資産税の基準となる額を指します。土地や建物をどのように評価するか定めた「固定資産評価基準」に基づいて、各市町村が算定した価格です。

登録免許税の税率は登記の種類によって異なりますが、相続登記の場合、税率は0.4%と定められています。相続登記の手続きが土地と建物両方ある場合は、どちらも税率0.4%が加算されます。

実際の登録免許税のシミュレーション
実際の登録免許税のシミュレーションを見ていきましょう。

【土地:固定資産税評価額が3000万の場合】
3000万円×0.4%=12

土地の登録免許税は、12万円かかることになります。

【建物:固定資産税評価額が1000万の場合】
1000万円×0.4%=4

建物の登録免許税は、4万円かかることになります。

・登録免許税の合計
土地の登録免許税12万円+建物の登録免許税4万円=16万円

上記のシミュレーションの場合、登録免許税は合計16万円です。

相続不動産の売却でかかる税金シミュレーション|印紙税

印紙税とは、売買の契約書を作成したときに発生する税金です。印紙税は政府が発行する証票の「収入印紙」で支払います。

ここでは、相続不動産の売却時にかかる印紙税の金額やシミュレーションを見ていきましょう。

印紙税の金額
印紙税は計算式ではなく、契約金額で変動します。金額が大きくなるほど印紙税も高くなるのが特徴です。

以下は、契約金額に応じた印紙税の一覧表になります。

契約金額印紙税軽減税額
10万円以下200円200円
10万円超え50万円以下400円200円
50万円超え100万円以下1000円500円
100万円超え500万円以下2000円1000円
500万円超え1000万円以下1万円5000円
10000万円超え5000万円以下2万円1万円
5000万円超え1億円以下6万円3万円
1億円超え5億円以下10万円6万円
5億円超え10億円以下20万円16万円

平成26年4月1日~令和6年3月31日の売買契約においては、軽減税率が適用されます。その場合、印紙税は右欄の軽減税額の価格になります。

実際の印紙税のシミュレーション
実際の印紙税のシミュレーションを見ていきましょう。

【契約金が4000万円の場合】
上記表の1000万円〜5000万円に該当し、印紙税は1万円になります。

郵便局で収入印紙を購入し、納税します。契約書の作成枚数ごとに印紙税がかかるため、2枚作成した場合の印紙税は2万円になると認識しておきましょう。

相続不動産の売却でかかる税金シミュレーション|譲渡所得税

譲渡所得税とは不動産の売却時に得た利益に対する税金のことで、所得税と住民税を指します。

不動産を購入したときよりも、高い値段で売却できた際に発生するのが譲渡所得税です。

まずは、所得税の計算式とシミュレーションを見ていきましょう。

所得税の計算式
課税譲渡所得金額=収入金額ー(取得費+譲渡費用)
税額=課税譲渡所得×税率(所得税)

収入金額とは、不動産売却で得た金額を指します。税率は、不動産の所有期間によって変動するため、計算式の税率は相続人が所有した期間で算出されます。

5年以下の場合は「短期譲渡所得」、5年以上の場合は「長期譲渡所得」に該当し、税率は次の通りです。

区分相続した不動産の所有期間税率
短期譲渡所得譲渡した年の1月1日時点で5年以下所得税30%
長期譲渡所得譲渡した年の1月1日時点で5年以下所得税15%

実際の所得税のシミュレーション
実際の所得税のシミュレーションを見ていきましょう。

【売却金額4000万円 取得期間が5年以下の場合】

収入金額4000万円ー{取得費(購入金額|3500万円+仲介手数料|122.1万円+登記費用30万円)+譲渡費用(仲介手数料|138.6万円印紙代|1万円)}=譲渡所得208.3万円

相続した不動産の所有期間が5年以下なので208.3万円×30%=62.49万円となり、所得税は624,900円になります。

所有期間が5年以上の場合は、208.3万円×15%=31.245万円となり、所得税は312,450円です。

相続不動産の売却でかかる税金シミュレーション|住民税

先述したように、不動産の売却時に発生した利益に対する税金は所得税の他、住民税もかかります。

譲渡所得税のひとつにあたる、住民税の計算式とシミュレーションを確認していきましょう。

住民税の計算式
課税譲渡所得金額=収入金額–(取得費+譲渡費用)
税額=課税譲渡所得×税率(住民税)

譲渡所得税の所得税と同じく、短期所有と長期所有で税率が異なります。

区分相続した不動産の所有期間税率
短期譲渡所得譲渡した年の1月1日時点で5年以下住民税9%
長期譲渡所得譲渡した年の1月1日時点で5年以下住民税5%

実際の住民税のシミュレーション
実際の住民税のシミュレーションを見ていきましょう。所得税の計算式と同様に、収入金額ー(取得費+譲渡費用)×税率(住民税)になります。

【売却金額4000万円 取得期間が5年以下の場合】

収入金額4000万円ー{取得費(購入金額|3500万円+仲介手数料|122.1万円+登記費用30万円)+譲渡費用(仲介手数料|138.6万円印紙代|1万円)}=譲渡所得208.3万円

所有期間が5年以下なので208.3万円×9%=18.747万円となり、住民税は187,470円になります。

仮に取得期間が5年以上の場合は、208.3万円×5%=10.415万円で、住民税は104,150円です。

相続不動産の売却でかかる税金シミュレーション|復興特別所得税

復興特別所得税とは、東日本大震災の復興に必要な財源を確保するための税金です。

個人の納税者は、令和19年(2037年)まで復興特別所得税を納めることが国税庁より義務づけられています。所得税の税率に2.1%が加算される仕組みです。

そのため、相続した不動産の所有期間が5年以下の方が、5年以上所有した場合よりも復興特別所得税が高くなります。

復興特別所得税の計算式
復興特別所得税額=基準所得税額×2.1%

基準所得税額とは、実際に納税する額のことです。給与所得者の場合は、支払を受ける給与等から復興特別所得税が源泉徴収されます。

個人事業主の場合は、原則確定申告の期限までに所得税と一緒に納付する必要があります。

実際の復興特別所得税のシミュレーション
所得税の計算式と同様に、収入金額ー(取得費+譲渡費用)×税率(2.1%)になります。

収入金額4000万円ー{取得費(購入金額|3500万円+仲介手数料|122.1万円+登記費用30万円)+譲渡費用(仲介手数料|138.6万円印紙代|1万円)}=譲渡所得208.3万円
208.3万円×2.1%=4.3743万円
復興特別所得税は43,743円となります。

相続された不動産の取得費が不明な場合は?

取得費は、基本的に「不動産の購入金額+仲介手数料+登記費用」で算出されます。

しかし、不動産を買い入れた時期が古いなどの理由で取得費が不明な場合は、収入金額の5%で計算可能とされています。

例えば、収入金額が4000万円の場合は、4000万円×5%=200万円となり、取得費は200万円で加算できます。

相続不動産の売却で減税はできる?

相続した不動産の売却では、ある一定の条件を満たしている場合に、減税できる特例制度があります。減税できる特例は、以下の3つです。

1.取得費加算の特例:相続された不動産を3年以内に売却するときに適応される特例

2.3,000万円の特別控除:自己居住用財産の譲渡時と相続した空き家の譲渡時に適応される控除

3.軽減税率の特例:10年以上家を所有していた場合に適応される特例

それぞれの特例に定められた条件を満たしていれば、減税できる可能性があります。

相続不動産を売却したときの税金シミュレーション

ここからは、相続不動産を売却したときにかかる税金のシミュレーションをしていきましょう。

「自己居住用財産を相続して4000万円で売却した場合」と「相続した不動産を更地にして3000万円で売却した場合」の2つのケースで解説します。

自己居住用財産を相続して4000万円で売却した場合
【設定】
・自己居住用財産を親から相続
・相続税なし
・土地(3000万円)建物(1000万円)合計4000万円で売却
・所有期間:5年以下
・取得費:3652.1万円
・購入金額:3500万円
・仲介手数料:122.1万円
・登記費用:30万円
・3,000万円の特別控除は取得費を適応させるので使えない
・取得費加算の特例も軽減税率の特例いずれも適応なし

【シミュレーション】
項目金額算式
登録免許税16万円土地:3000万円×0.4%=12万円
建物:1000万円×0.4%=4万円
印紙税1万円
課税譲渡所得208.3万円収入金額4000万円ー{取得費(購入金額3500万円+
仲介手数料122.1万円+登記費用30万円)
+譲渡費用(仲介手数料138.6万円+印紙代1万円)}
=譲渡所得208.3万円
所得税62.49万円208.3万円×30%(短期譲渡所得)
=62.49万円
住民税18.747万円208.3万円×9%(短期譲渡所得)
=18.747万円
復興特別所得税4.3743万円208.3万円×2.1%=4.3743万円
税金合計102.6113万円16万円(登録免許税)+1万円(印紙税)
+62.49万円(所得税)+18.747万円(住民税)
+4.3743万円(復興特別所得税)=102.6113万円

税金の合計金額は102.6113万円です。手取りの金額は「収入金額-税金合計金額」で算出できるため、40000万円(収入金額)−102.6113万円(税金合計金額)=3897.3877万円が手取りになります。

相続した不動産を更地にして3000万円で売却した場合
【設定】
・相続した家を更地にして3000万円で売却
・取得費不明
・解体費用140万円
・減税の特例はいずれも適応なし
・所有期間は5年以上

【シミュレーション】
項目金額算式
登録免許税12万円土地:3000万円×0.4%=12万円
印紙税1万円
課税譲渡所得2463.4万円取得費不明のため、収入金額×5%で計算し取得費算出
(3000万円×5%=150万円
収入金額3000万円ー{取得金額150万円+
譲渡金額(仲介手数料105.6万円+印紙税1万円)
+解体費280万円}=2463.4万円
所得税369.51万円2463.4万円×15%(長期譲渡所得)
=369.51万円
住民税123.17万円2463.4万円×5%(長期譲渡所得)
=123.17万円
復興特別所得税51.7314万円2463.4万円×2.1%=51.7314万円
税金合計557.4114万円12万円(登録免許税)+1万円(印紙税)
+369.51万円(所得税)+123.17万円(住民税)
+51.7314万円(復興特別所得税)=557.4114万円

税金の合計金額は557.4114万円です。手取りの金額は3000万円(収入金額)−557.4114万円(税金合計金額)=2442.5886万円となります。

相続不動産を売却した場合の税金シミュレーションをしてみよう

相続した不動産の売却にかかる税金は、「登録免許税・印紙税・所得税・住民税・復興特別所得税」の5種類があります。

今回紹介した事例を参考に、税金計算ツール代わりとして活用するのも良いでしょう。ただし、シミュレーションに近い事例でも、減税になる特例が適用できる場合もあります。

詳しい金額が知りたい場合は税理士に相談するのがおすすめです。相続した実家を売却する前に、税金についてしっかり調べておきましょう。給与所得者は支払を受ける給与等から復興特別所得税が源泉徴収されます。

個人事業主の場合は、原則確定申告の期限までに所得税と一緒に納付する必要があります。

実際の復興特別所得税のシミュレーション

所得税の計算式と同様に、収入金額ー(取得費+譲渡費用)×税率(2.1%)になります。

収入金額4000万円ー{取得費(購入金額|3500万円+仲介手数料|122.1万円+登記費用30万円)+譲渡費用(仲介手数料|138.6万円印紙代|1万円)}=譲渡所得208.3万円
208.3万円×2.1%=4.3743万円
復興特別所得税は43,743円となります。

相続された不動産の取得費が不明な場合は?

取得費は、基本的に「不動産の購入金額+仲介手数料+登記費用」で算出されます。

しかし、不動産を買い入れた時期が古いなどの理由で取得費が不明な場合は、収入金額の5%で計算可能とされています。

例えば、収入金額が4000万円の場合は、4000万円×5%=200万円となり、取得費は200万円で加算できます。

相続不動産の売却で減税はできる?

相続した不動産の売却では、ある一定の条件を満たしている場合に、減税できる特例制度があります。減税できる特例は、以下の3つです。

1.取得費加算の特例:相続された不動産を3年以内に売却するときに適応される特例

2.3,000万円の特別控除:自己居住用財産の譲渡時と相続した空き家の譲渡時に適応される控除

3.軽減税率の特例:10年以上家を所有していた場合に適応される特例

それぞれの特例に定められた条件を満たしていれば、減税できる可能性があります。

相続不動産を売却したときの税金シミュレーション

ここからは、相続不動産を売却したときにかかる税金のシミュレーションをしていきましょう。

「自己居住用財産を相続して4000万円で売却した場合」と「相続した不動産を更地にして3000万円で売却した場合」の2つのケースで解説します。

自己居住用財産を相続して4000万円で売却した場合

【設定】
・自己居住用財産を親から相続
・相続税なし
・土地(3000万円)建物(1000万円)合計4000万円で売却
・所有期間:5年以下
・取得費:3652.1万円
・購入金額:3500万円
・仲介手数料:122.1万円
・登記費用:30万円
・3,000万円の特別控除は取得費を適応させるので使えない
・取得費加算の特例も軽減税率の特例いずれも適応なし

【シミュレーション】

項目 金額 算式
登録免許税 16万円 土地:3000万円×0.4%=12万円
建物:1000万円×0.4%=4万円
印紙税 1万円
課税譲渡所得 208.3万円 収入金額4000万円ー{取得費(購入金額3500万円+
仲介手数料122.1万円+登記費用30万円)
+譲渡費用(仲介手数料138.6万円+印紙代1万円)}
=譲渡所得208.3万円
所得税 62.49万円 208.3万円×30%(短期譲渡所得)
=62.49万円
住民税 18.747万円 208.3万円×9%(短期譲渡所得)
=18.747万円
復興特別所得税 4.3743万円 208.3万円×2.1%=4.3743万円
合計 102.6113万円 16万円(登録免許税)+1万円(印紙税)
+62.49万円(所得税)+18.747万円(住民税)
+4.3743万円(復興特別所得税)=102.6113万円

税金の合計金額は102.6113万円です。手取りの金額は「収入金額-税金合計金額」で算出できるため、40000万円(収入金額)−102.6113万円(税金合計金額)=3897.3877万円が手取りになります。

相続した不動産を更地にして3000万円で売却した場合

【設定】
・相続した家を更地にして3000万円で売却
・取得費不明
・解体費用140万円
・減税の特例はいずれも適応なし
・所有期間は5年以上

【シミュレーション】

項目 金額 算式
登録免許税 12万円 土地:3000万円×0.4%=12万円
印紙税 1万円
課税譲渡所得 2463.4万円 取得費不明のため、収入金額×5%で計算。
3000万円×5%=150万円(取得金額)
収入金額3000万円ー{取得金額150万円+
譲渡金額(仲介手数料105.6万円+印紙税1万円)
+解体費280万円}=2463.4万円
所得税 369.51万円 2463.4万円×15%(長期譲渡所得)
=369.51万円
住民税 123.17万円 2463.4万円×5%(長期譲渡所得)
=123.17万円
復興特別所得税 51.7314万円 2463.4万円×2.1%=51.7314万円
合計 557.4114万円 12万円(登録免許税)+1万円(印紙税)
+369.51万円(所得税)+123.17万円(住民税)
+51.7314万円(復興特別所得税)=557.4114万円

税金の合計金額は557.4114万円です。手取りの金額は3000万円(収入金額)−557.4114万円(税金合計金額)=2442.5886万円となります。

相続不動産を売却した場合の税金シミュレーションをしてみよう

相続した不動産の売却にかかる税金は、「登録免許税・印紙税・所得税・住民税・復興特別所得税」の5種類があります。

今回紹介した事例を参考に、税金計算ツール代わりとして活用するのも良いでしょう。ただし、シミュレーションに近い事例でも、減税になる特例が適用できる場合もあります。

詳しい金額が知りたい場合は税理士に相談するのがおすすめです。相続した実家を売却する前に、税金についてしっかり調べておきましょう。

監修

佐々木総合法律事務所/弁護士

佐々木 秀一

弁護士

1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。

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