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親の死後、家の処分はどうしたらいい?売れない家の特徴とリスク、処分方法などを解説

2025.03.14

親の死後、相続した実家を処分したいのに、売れなくて困っているケースはよくあります。相続した家や住まない家がなかなか売れないとどうなるのでしょうか。この記事では売れない家の特徴とリスク、処分方法について解説します。

売れない家の特徴4選

親の死後、相続した実家がなかなか売れないのには理由があります。家が古くリフォームや建て替えが難しい、家の立地条件が悪い、価格が高いなどの特徴が挙げられます。ここでは売れない家の特徴4つを説明します。それぞれに合った解決方法を見つけましょう。

①家が古くてリノベーションが難しい

売れない家は、家が古くて改修が難しいことが特徴の1つです。建物は築年数が古いと建物の設備が傷んでおり、間取りや設備なども今のライフスタイルに合わないことが多くなってしまいます。そのため築年数が30年を超える家では、リフォームやリノベーションが必要かもしれません。

田舎の古い家は耐震基準が不十分なことも多いので、さらに売却が難しくなることも。リノベーションなどには手間とコストがかかるので、本当に必要かどうかは不動産会社と相談してから決めましょう。

②家の立地条件が悪い

立地の悪さや日当たりが良くないと、魅力が低い物件になってしまいます。地方や田舎では交通が不便だと買い手が見つからないことが多いです。都市部では最寄駅までの距離や治安の良さも不動産の価値を変動させます。

一般的に、生活に必須なスーパー、学校や病院など、公共施設へのアクセスのしやすさ、周辺の治安は、不動産の売買では重要な要素です。立地が悪いと買い手がなかなか現れず、1年以上売れない家となってしまうことも。建物や周辺環境をうまくアピールしたり、相場より価格を下げれば、買い手が見つかる可能性が高まります。

③価格が相場よりも高い

物件の希望売却価格が相場よりも高いことも、売れない家の特徴として挙げられます。「少しでも高く家を売りたい」と価格を相場よりも高く設定している場合、条件が良くても売却は難しいでしょう。買い手は他の物件もチェックしているので、相場を把握しています。そのため適正な価格設定にするのが大切です。価格は不動産会社に助言をもらいながら慎重に決定してください。

④建て替えができない

相続した家が「再建築不可物件」の場合は、建物の建て替えができません。再建築不可物件とは、今ある家を解体した後に、新たな建物を建てられない土地のことを指します。

買い手はその土地を有効活用ができないので、不動産の価値が低くなってしまうのです。それでも土地の価値をアピールするなど、販売戦略を工夫することで売却につながる可能性があります。不動産会社や専門家に相談し、販売方法を検討してみましょう。

売れない家を放置するリスク

相続した売れない空き家を放置しておくと、さまざまなリスクがあります。リスクを回避するためにも、住まない家を相続したら早めに処分を検討しましょう。

犯罪に巻き込まれる可能性がある

放置されている空き家は、犯罪に使用される可能性があります。不法投棄の場所として使われたり、誰かが住み着いたりなど「不審者が出入りする家」として認識され、悪評が立つかもしれません。そのような状態になってしまったら、さらに売却が難しくなるでしょう。

近隣トラブルにつながる

誰も住んでいない土地や建物は、老朽化が加速するのでさまざまな問題を抱えやすく、近隣トラブルとなってしまいがちです。空き家が管理されていないと、草木が生い茂ったり、虫が発生したり、周囲の環境悪化につながります。家が雨漏りによる腐敗などで脆くなっていると、自然災害などで破損、倒壊するリスクも発生します。

空き家で起きたトラブルは、所有者の責任です。建物の倒壊などで近隣住民に損害を与えてしまった場合、高額な賠償責任を負う可能性があるので、しっかりと管理しましょう。

「特定空き家」に指定される

空き家をそのまま放置していると、「特定空き家」に指定される恐れがあります。特定空き家に指定されると、最大6倍の固定資産税が課税されてしまうことも。そのため住まない家はしっかり管理するか、早急に処分方法を検討してください。

売れない家の処分方法

親の死後、家が処分できなくて困っている場合、アプローチの仕方を変えてみましょう。売れない家の処分方法について、4つの方法を紹介します。

不動産業者に不動産買取を依頼する

不動産買取なら、売れない家でも不動産会社に買い取ってもらえるかもしれません。この場合は買い手を探すのではなく、不動産会社に買い取ってもらうので、すぐに現金化できるのが特徴です。

ただし、相場よりも低い価格での契約となるので注意しましょう。これは、不動産会社が建物の解体費用やリノベーション費用を負担するためです。売主は解体費用や仲介手数料などの費用を抑えられるのがメリットになります。手間をかけずに売れない家を処分したい方におすすめの方法です。複数の不動産会社に見積もり依頼し、比較した上で信頼できる業者を選んでください。

家を解体して土地だけを売却する

建物の価値が低く、売却が難しい場合でも、建物を解体して土地だけを売却する方法もあります。立地条件が良い場合は、更地の方が高く評価されるかもしれません。建物の解体にはかなりの費用が必要なので、事前に解体費用や土地の価値について調べておくことが大切です。

希望販売価格を下げて売却する

希望販売価格が相場よりも高かった場合、適正価格に合わせることで売却できる可能性が高まります。しかし、一度価格を下げてしまうと、その後値上げするのは難しくなるので注意しましょう。不動産会社とよく相談しながら、売却しやすい価格設定にしてください。

相続を放棄する

相続放棄は、相続の開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述することで可能です。相続放棄は一見するとマイナスの遺産を受け継ぐ必要がなく、メリットに思えるかもしれません。しかしマイナスの財産だけでなく、プラスの財産も受け取れなくなってしまいます。相続放棄するのかどうかは専門家と相談の上、慎重に検討することをおすすめします。

売れない家をうまく処分するためのポイント

売れない家をうまく処分するためのポイントを2つ紹介します。次のポイントに気をつけながら、処分に向けて準備しましょう。

複数の不動産会社に依頼・比較する

家を売る際には、複数の不動産会社に査定依頼してください。それぞれ不動産会社によって査定価格や販売戦略が異なってきます。また、よく話しをする担当者との相性もポイントのひとつです。

複数の不動産会社に査定依頼を出し、よく比較・検討したうえで、相性の良い信頼できる不動産会社を選びましょう。

売る以外の選択肢も視野に入れて考える

なかなか家を売却できない場合、空き家を賃貸として活用してみることを検討してみても良いでしょう。賃貸物件にすることで、家を維持しながら定期的に収入を得ることも可能かもしれません。

 

売れない家の問題を把握し、早めに処分できるように行動を始めよう

家の処分に困っている場合、そこには売れない家の特徴があります。空き家を所有しているとトラブルが発生するリスクが高くなるので、早めの処分を検討してください。まずは信頼できる不動産会社を見つけて、家を処分するための行動を始めましょう。手間をかけずに処分したい方は、物件の買取をしている不動産会社に相談してみるのもおすすめです。

監修

佐々木総合法律事務所/弁護士

佐々木 秀一

弁護士

1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。

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